トラックや、ダンプ、タンクローリーなどの大型自動車は大型免許がないと運転できません。
本記事では、大型免許の種類、大型免許の取得条件、期間、費用、さらにはお得な補助金制度まで、大型免許取得に関するあらゆる情報を解説していきます。
大型免許の取得を検討されている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
大型免許とは
大型免許は、大型自動車を運転するために必要な免許です。これには、トラックやダンプカー、タンクローリーなどが含まれます。運転する車両の大きさや用途によって取得する免許が異なります。
大型自動車とは、警察庁が定める道路交通法に基づいて、特定の要件を満たすトラックやダンプカー、タンクローリーなどの車両のことを指します。
最大積裁量 | 6.5t以上 |
車両総重量 | 11t以上 |
乗車定員 | 30人以上 |
大型車両を運転するには高度な運転技術が必要であり、小さなミスでも大きな事故につながる可能性があります。
そのため、大型免許を取得するには、実技試験などが必要ですが、さらに普通自動車免許を取得してから最低でも3年以上の経験が求められます。
また、身体的な条件も重要であり、視力や色の識別能力なども確認されます。
大型免許の種類
大型免許には、第一種と第二種の二つの種類があります。
この二つの大きな違いは、お客様を乗せられるかどうかです。
大型免許の種類 | 目的 |
第一種 | 荷物の運搬(トラックやダンプ) |
第二種 | 乗客を運ぶ(バスやタクシー) |
大型免許を取得すると、大型自動車だけでなく中型や普通自動車、小型特殊なども運転できるようになります。
運転免許は、より高度な運転スキルが求められる免許を取得すると、それより小型の自動車も運転できる場合が多いです。そのため、大型免許を持っていれば、大半の自動車を運転することができます。
自動車のナンバープレートには白地のものと緑地の二種類があり、緑地のナンバーは事業用の自動車になります。
大型免許取得条件
大型免許は高度な運転技術が必要であり、大きな事故のリスクがあるため、誰でもすぐに取得できるというわけではありません。
学科試験や実技試験の他に、いくつかの条件を満たしている必要があります。
大型免許の取得条件は、以前は21歳以上であることでしたが、令和4年5月13日からは19歳以上でも取得可能になりました。この変更は、ドライバー不足や運送業界の高齢化などが背景にあります。
ただし、21歳未満の場合は、一定の教習を経て普通・準中型・中型・大型特殊のいずれかを1年以上運転経験している必要があります。
一方、21歳以上の場合は、普通・準中型・中型・大型特殊のいずれかを3年以上運転経験している場合に、大型免許の受験が可能です。
また、一定以上の視力や知覚検査の合格も必要です。
大型免許の取得にかかる期間と費用
大型免許を取得するためには、筆記試験と技能試験に合格する必要があります。
試験を受けるためには、一定の資格と条件が必要です。技能試験は特に難しいため、大型免許の取得は一般的には厳しい壁とされています。
大型免許を取得するには、通常どのくらいの期間がかかり、どれくらいの費用が必要であり、どのような条件が必要かを説明します。
取得期間
一般的に、大型免許の取得は自動車教習所に通い、技能試験の免除を受けることが一般的です。教習時間は、既に持っている免許の種類によって異なります。
免許の種類 | 免許取得にかかるおおよその日数 |
普通免許(取得後3年以上) | 20日以上 |
準中型免許(取得後3年以上) | 20日以上 |
中型免許 | 14日以上 |
中型免許(8t限定) | 14日以上 |
短期間で大型免許を取得したい場合は、合宿教習という方法もあります。
取得費用
一般的に、大型免許の取得費用は高額ですが、教習所によって料金体系が異なります。また、一部の教習所では大型免許の教習を提供していない場合もありますので、教習所選びも重要です。免許取得が教習所か合宿免許でも費用は変わってきます。
免許の種類 | 免許取得にかかるおおよその金額 |
普通免許 | 36万円程度 |
準中型免許 | 28万円程度(限定条件により増額あり) |
中型免許 | 18万円程度 |
中型免許(8t限定) | 25万円程度 |
居住地によりますが、合宿で大型免許を取得する方が、通学よりもやや費用が抑えられる場合があります。
大型免許取得で使える補助金制度
大型自動車のドライバー不足もあり、国としてもドライバーの育成に力を入れている状況です。ドライバー不足の原因には、ドライバーの高齢化や女性進出の遅れ、少子高齢化や長時間労働が挙げられます。
そんな中、2024年4月1日、働き方改善関連各法律において
・時間外労働の上限規制の適用
・改正改善基準告示
の法改正が行われました。将来的には物流業界もこの規制に従うことが予測されているため、今後さらに時間外労働を減らすための取り組みは強化されると考えられています。
大型免許の取得条件が緩和されたことに加えて、様々な補助金制度が存在し、大型免許取得がより容易になっています。補助金をうまく活用することで、大型免許の取得費用を抑えることができますので、詳細を確認してみてください。
✅教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定した講座を受講することにより、大型免許取得費用の一部を補助する制度です。指定された講座を受講し、一定の条件を満たすと、講座の一部費用が給付されます。
この制度により、大型免許を取得したい人の負担が軽減され、就職や転職の機会が増えることが期待されます。
教育訓練給付制度とは、厚生労働省が働く人のキャリアを支援するために設定した制度です。教習所などの費用の40%、上限20万円まで補助を受けられます。
・教育訓練給付を受けるための条件
・在職者で被保険者として雇用された期間が1年〜3年以上ある ・無職の場合、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内かつ、支給要件期間が1年〜3年以上ある ・過去に教育訓練給付の支給を受けた場合、3年以上経過している ・65歳未満であること。 |
なお、この制度は指定された教習所でのみ利用可能なため、ご注意ください。
✅人材開発支援助成金
「人材開発支援助成金」という制度は、企業が大型免許の取得をサポートするための助成金です。
この制度では、訓練費用や従業員の賃金の一部を助成し、特に「雇用保険加入者」である「入社5年以内」かつ「35歳未満の若手従業員」を対象にしています。
助成金は、訓練費用の45%が助成されるほか、従業員一人当たり1時間760円が補助されます。さらに、条件次第では助成金額が増額される可能性もあります。この制度を活用することで、若手社員のスキルアップや企業の発展が促進されると期待されています。
✅トラック協会の助成事業
トラック協会が実施する企業向け大型免許費用補助金は、若手ドライバーの育成と確保を目的としています。この補助金制度を利用することで、若手ドライバーの費用負担が大幅に軽減され、運送業界に質の高い若手ドライバーが供給されます。
補助金の対象は、「特例教習講習費」と「免許取得費用」であり、受講可能な教習所は協会が指定した場所に限られますので、ご注意ください。
まとめ
大型免許を取得すれば、ダンプカーなどの大型自動車を運転できるようになります。
大型免許の取得方法は、教習所での通学、一発試験、または合宿という3つの選択肢があります。それぞれの方法は取得にかかる期間や難易度、費用が異なります。
さらに、大型免許取得に利用できる補助金制度も存在しますので、活用することで負担を軽減できます。
各取得方法の特徴をしっかり把握し、自分に合った方法で大型免許を取得することをお勧めします。
筆者の感想大型免許を取得することで、仕事の選択肢が広がり、キャリアアップにつながる可能性があります。また、いくつかの補助金制度を利用できる為、費用負担を軽減することができます。
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