運送業と配送業の違いとは？それぞれの特徴を詳しく解説！

　運送業と配送業は、物流における重要な存在ですが、それぞれ異なる役割と機能を持っています。
この記事では、運送業と配送業の違いについて詳しく説明し、物流業界における両者の重要性についても解説します！

運送業とは？
配送業とは？
運送業者と配送業者、どちらを選ぶべき？
まとめ

運送業とは？

　運送業は、国からの許可が必要な、安全性に配慮した仕事です。道路運送法に基づく規制により、車両や運転手、事業者などが厳しくチェックされます。

仕事内容は企業から委託された貨物を指定された場所に運び、運賃を受け取ることで収入を得ます。

荷物は大型トラックや4t車などの荷物に合わせた専用車両に積み込まれ、取引先や消費者に安全に届けられるように注意が払われます。

運送業にはセールスドライバーや商品管理、営業などの職種があります。個人や法人などの社外の人から運賃を受け取って、決められた目的地まで荷物を運ぶのが主な特徴です。

運送業は、私たちの生活に欠かせない物資を運搬することで、社会の基盤を支える重要な役割を担っています。

運送業は2種類

　運送業は、旅客を運ぶ「旅客自動車運送事業」と、荷物を運ぶ「貨物自動車運送事業」の2つに分けられます。

●「旅客自動車運送事業」とは、かつては「道路運送」として一括されていましたが、平成元年に成立した貨物自動車運送事業法により、貨物を運ぶ業務を行う場合は、貨物自動車運送事業法の許可が必要とされるようになりました。

旅客自動車運送事業は更に、

一般旅客自動車運送事業と特定旅客自動車運送事業の2つに分類されます。

①一般旅客自動車運送事業・・・個々の旅客から運賃をもらい、自動車で目的地まで運ぶ事業　(例)路線バス、高速バス、タクシーなど
②特定旅客自動車運送事業・・・特定の乗客だけを目的地に運ぶ事業　(例)特定の乗客だけを運ぶ

●「貨物自動車運送事業」とは、貨物を目的地まで運ぶ業務のことを指します。具体的には、トラックや物流会社などがこの業務に従事します。貨物を安全かつ効率的に運ぶことが主な目的です。

ではトラック運送業の種類を次の章で見ていきましょう！

トラック運送業の種類

　トラック運送業は、大きく分けて以下の3種類に分類されます。
それぞれの特徴を見てみましょう。

一般貨物自動車運送事業

・特定の荷主ではなく、複数の荷主から依頼を受けた荷物を運ぶことができます。
・許可を受けるには、一般貨物自動車運送許可が必要です。
・代表的な仕事内容は、配送や引越しなどです。

特定貨物自動車運送事業

・特定の荷主1社のみの荷物を運ぶことができます。
・許可を受けるには、特定貨物自動車運送許可が必要です。
・代表的な仕事内容は、企業間の配送や原材料の運搬などです。

貨物軽自動車運送事業

・軽自動車や125cc以上の自動二輪車で荷物を運ぶことができます。
・許可を受けるには、軽貨物自動車運送許可が必要です。
・代表的な仕事内容は、小口配送や街中でのお届けなどです。

運送業は国の許可必須

　トラック運送業を新たに始める場合は、国土交通省または地方運輸局から許可を得る必要があります。

◎安全確保
　運送業は大型車両を使用して貨物や乗客を運ぶため、安全確保が重要です。国の許可制度を通じて、運送業者が安全基準を遵守し、事故やトラブルを防ぐための対策を取ることが求められます。

◎環境保護
　大型車両の排出する排気ガスや騒音などが環境に与える影響を考慮し、運送業者に対して環境保護対策を実施するよう求められます。国の許可制度を通じて、環境に配慮した運送活動が行われることが期待されます。

◎公共利益の確保
　運送業は社会的な公共利益に関わる重要な業種です。国の許可制度を通じて、公共の利益や交通の円滑化を図るための規制や指導が行われます。

◎競争の健全化
　複数の運送業者が競争する中で、適切なサービスの提供や価格競争が行われるようにするため、国の許可制度が適用されます。これにより、市場における競争が健全に維持されます。

もしも、国の許可を取らず無許可で営業する事業者には、厳しい罰則があります。許可を得ずに営業を行うと、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。さらに、悪質な場合は懲役と罰金の両方が課される可能性があります。

事業者が許可を得ているかどうかは、車両のナンバープレートで判断することができます。ナンバープレートが緑色や黒色であれば、その車両は運送業として許可を受けていることを示しています。

★運送業のお仕事についてもっと詳しく知りたい！という方はこちらの記事をご覧ください。

運送業ってどんな仕事？知っておきたい運送業の基礎知識

配送業とは？

　配送業にはさまざまな種類があるため、業務内容も職種や職場によって異なることが多いですが、主に近距離・小口配送・短時間で荷物を運ぶ事業をいいます。また、運転をして荷物を運ぶだけでなく、集荷・荷積み・荷降ろし・梱包・伝票作成の業務も担当します。

配送業の主な仕事は、製品や食品を顧客に届けることです。会社が所有する車両を使用するため、運賃はかかりません。そのため、国から許可を得る必要もありません。

商品を目的地に届けた後は、荷台から降ろして顧客に引き渡します。また、時には商品の梱包や顧客への営業活動も行います。

配送業の種類

　配送業は、大きく分けて以下の3種類に分類されます。

①小口配送
・宅配便やゆうパックなど、個人や小規模事業者向けの配送サービス
・荷物の量は1個から数個程度
・配送時間は翌日配送や翌々日配送など、比較的短納期

②大口配送
・企業向けの配送サービス
・荷物の量は数十個から数百個程度
・配送時間は小口配送よりも長く、数日～数週間かかる場合もある

③専門配送
・生鮮食品や精密機械など、特定の荷物に特化した配送サービス
・温度管理や梱包など、荷物の特性に合わせた配送を行う

配送業の選び方

　配送業者を選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。

◎荷物の量とサイズ
・小口配送、大口配送、専門配送のいずれを選ぶか
・荷物の量やサイズに合わせて、最適な配送業者を選ぶ

◎配送時間
・翌日配送、翌々日配送など、希望する配送時間帯があるかどうか

◎料金
・配送料金は業者によって異なるため、複数の業者を比較検討する

◎サービス内容
・荷物追跡や代金引換など、必要なサービスを提供しているかどうか

◎エリア
・配送可能エリアが、希望するエリアと一致しているかどうか

代表的な配送業者

　代表的な配送業者とその特徴は以下の通りです。

◎ヤマト運輸
・小口配送の最大手
・全国配送ネットワークを持ち、翌日配送や翌々日配送を提供
・荷物追跡や代金引換など、充実したサービス

◎佐川急便
・ヤマト運輸に次ぐ小口配送の主要業者
・時間帯指定配送や飛脚航空便など、多様なサービスを提供

◎郵便局
・ゆうパックやゆうメールなど、郵便サービスを提供
・全国どこでも配送可能
・手書きの宛名でも配送可能

運送業者と配送業者、どちらを選ぶべき？

　ここまでは運送業と配送業の違いについて解説してきました。

物流業界において重要な役割を担っている運送業と配送業ですが、許可、業務内容、規模、報酬、必要なスキル、将来性などにおいて違いがある事が分かりました。

もし、物流業界で働くのであればそれぞれの違いを理解し自分に合った仕事を選ぶことが重要となります。

以下では、運送業と配送業で働くメリット・デメリットをまとめました。

	メリット	デメリット
運送業	規模が大きく、安定した収益が見込める・様々な業界と取引できる	許可取得や車両管理など、初期投資が必要
配送業	顧客との直接的な接点があり、信頼関係を築きやすい・利益率が高い	参入障壁が低い

このように、メリット・デメリットを踏まえて是非ご自身に合ったお仕事を見つけてくださいね！

まとめ

　いかがでしたでしょうか？

「荷物を運ぶ仕事」としては、運送業も配送業も同じですが、事業形態、許可、荷物の量と距離、責任範囲などにおいて違いがあります。

ぜひ、この機会に運送業と配送業の特徴を学び、物流業界への理解を深めていただけると嬉しいです。

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