日本国内でドローンを利用した物流の実現が進められています。これにより、荷物の輸送がより迅速になることが期待されています。大手企業もこの取り組みに参加し、さまざまな試みが行われています。
また日本郵便で2024年3月に新型物流専用ドローンを用いた荷物などの配送が試行されました。注目すべき新しい物流になります。
一緒に記事を読んで理解を深めていきましょう♪
ドローン配送とは？
ドローン配送は、小型の自律飛行機であるドローンを使用した荷物の配送サービスです。
通常の宅配サービスでは、ドライバーがトラックなどで荷物を運んで届けるのに対し、ドローンを利用することで人の手を介さずに配送が行われます。
ドローンはGPSやセンサーなどが搭載されており、指定された経路を飛行して、迅速かつスムーズに荷物を届けることができます。
日本国内でのドローンを活用した物流の実現が期待されています。これにより、荷物の輸送が迅速化されることが見込まれています。大手企業もこの方向性に向けて様々な取り組みを開始しています。
2021年改正航空法によりレベル4飛行が可能
2021年6月に可決され、2022年12月5日に施行された改正航空法により、無人航空機の機体認証制度や技能証明制度などが導入されました。
この改正により、特定の条件下で、ドローンが有人地帯（第三者上空）での補助者なし目視外飛行（レベル3.5飛行）を行うことが認められるようになりました。
| 目視外飛行（レベル3.5）とは・・・レベル3までの実証実験で行われていた物流、防災作業を住宅街など人がいる地域である第三者上空で実践導入する段階のことです。 |
機体認証を受けた機体を、技能証明制度に基づく操縦ライセンスを有する者が、航空規則に従って操縦する場合、国土交通大臣の許可・承認を受けることにより可能です。
ドローンが解決する物流の課題
ドローンの活用により、交通渋滞や人手不足、過疎地域への配送など、さまざまな問題が解決される可能性があります。
ここからは、ドローンを活用することによってどのような課題が解消されるかを詳しく説明します。
交通渋滞の緩和
荷物を配送する際に生じる交通渋滞は、時間や輸送コストの増大や、ドライバーの負担増につながります。しかし、空中を飛ぶドローンを利用すれば、交通渋滞の影響を受けずに最短経路で荷物を届けることができます。
トラックを使用せずに小型の荷物を配送することで、配送業務の効率化が進みます。これにより、より短時間で多くの荷物を配送できるようになります。
さらに、配送トラックの減少により、交通渋滞が軽減されるでしょう。ドライバーが路上駐車をする必要がなくなるため、路上駐車による交通渋滞も解消される見込みです。
人手不足の補助
長時間の運転が必要なドライバーが不足しており、再配達などの業務負荷が増加しています。また、2024年問題による時間外労働制限の影響で、人手不足が一層深刻化する可能性が指摘されています。この状況下では、荷物の配達が消費者に届かない可能性があります。
しかし、ドローンを利用すれば無人での配送が可能です。ドローンの活用が広がれば、ドライバーの人手不足を補うことができ、消費者の利便性も維持できるでしょう。
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コスト削減
ドローン配送を導入することで、配送に関連する多岐にわたる費用を削減できます。無人での配送なので、ドライバーの人件費が不要となります。また、配送プロセスを効率化できるため、再配達にかかる費用も削減できます。
さらに、ドローンは飛行機などと比較して燃料費やメンテナンス費用がほとんどかからないため、運用コストが低く抑えられます。そのため、燃料価格の高騰にもあまり影響を受けず、安定したコストで運用が可能です。
過疎地や離島への配送可能
過疎地や離島では、交通インフラが整備されておらず、トラックによる配送が困難な地域が多く存在します。また、高齢者が市街地までの外出が難しく、日用品などの入手が困難な状況にあります。
しかし、ドローンを活用することで、自宅まで安全かつ迅速に荷物を配送することができます。山間部などの険しい道路でも、ドローンは上空から直線的なルートを取ることができるため、配送に支障をきたしません。このように、生活に必要な物資を容易に入手できるようになれば、地域の住民は安心して生活できるでしょう。
災害時での活用
ドローンは、日常生活だけでなく、災害時にも非常に有用です。災害が発生すると、被害の迅速な確認や情報収集が必要です。しかし、ヘリコプターなどの航空機は広いスペースが必要であり、狭い場所や屋内での運用が難しいです。
一方で、ドローンは限られたスペースで迅速に離着陸でき、狭い場所や危険な場所でも飛行が可能です。収集した情報を活用して、被災者の発見や救助活動に役立てることができます。これにより、被災者の救助だけでなく、救助者の安全性も向上させることができます。
また、ドローンを利用すれば、支援物資を上空から配達することも可能です。大型ドローンの開発が進むことで、一度に多量の物資を運ぶことができるようになるでしょう。
ドローン配送の実証実験の事例
近年では多くの自治体が配送ドローン導入に向けた取り組みを行うようになりました。配送ドローンの導入や実証実験を行っている長野県や宮城県、東京都の事例を以下に紹介します。
また、日本郵便が2024年3月4日から3月22日の期間中、新型物流専用ドローンを用いた荷物などの配送試行を実施しました。
日本郵政グループの日本郵便は、兵庫県豊岡市で、補助者なしで目視外での飛行（レベル3.5）を行う新型ドローンによる配送試験を実施し、顧客の荷物を実際に配送したと発表しました。
これにより、従来の機体よりも新型ドローンは搭載できる荷物の重量と航続可能距離が大幅に向上しました。日本郵便は、早期に物流専用新型ドローンの第一種型式認証申請を4月以降に目指しています。
また、ここからは、過去に配送ドローンの導入や実証実験を行った長野県や宮城県、東京都の事例を以下に紹介いたします。
例1. 宮城県
東日本大震災を経験した宮城県大郷町では、若者の流出や農業・地域産業の人手不足などの問題に直面していました。その解決策として、ドローンの活用が注目されました。町は、主要産業である農業をはじめとし、防災や教育の三つの柱を重視しました。
この取り組みの一環として、町はドローン特区としての認定を受け、ドローン関連企業の誘致に取り組んでいます。さらに、日本ドローン活用推進機構と協定を締結し、ドローンに関する理解や知識の向上に取り組むための研究会を設立しました。
また、企業や団体と連携して、実証実験や実演会を行うなど、積極的な活動を展開しています。
農業分野では、農業用ドローンを活用して労力の削減や効率化を図り、防災分野では災害時の調査や物資配送に役立て、教育分野ではドローンを活用したプログラミング教育などに取り組んでいます。
例2. 長野県
長野県伊那市では、山間部の集落において買い物が困難な人々やコミュニティの弱体化などの問題が存在していました。そこで導入されたのが、遠隔監視制御や目視外自律飛行が可能なスマートドローンを活用した「ゆうあいマーケット」プロジェクトです。
このプロジェクトでは、ケーブルテレビ画面や電話で商品を注文すると、ドローンが配送拠点から地元スーパーの商品を集落にある公民館に配送します。そして公民館のボランティアが、利用者に直接商品を届けるというシステムが導入されています。
この取り組みは、買い物が困難な人々への支援だけでなく、高齢者の見守りやコミュニティの強化にも貢献しています。
このプロジェクトでは、大手企業が持つノウハウやプラットフォームを活用し、地元企業が運営するという役割分担が行われています。このような取り組みにより、継続的な運用が実現されています。そして、現在伊那市が取り組んでいるのは、山岳地帯での物流を中心としたビジネスモデルの構築です。
例3. 東京都
2023年3月24日、日本郵便株式会社は奥多摩町でドローン配送の実証実験を行いました。この実験では、奥多摩郵便局から山間部の住宅まで、重さ約1kgの荷物を運び、同じ経路で戻るという内容で、日本で初めてのレベル4飛行実験となりました。
ドローンは着陸後、自動的に荷物を機体から切り離すことができます。この実験では、約9kmの飛行距離を約18分で往復し、以前のレベル3の実験よりも飛行距離や時間を短縮しました。
今後は、ドローンで運ぶ荷物のサイズや重さを増やし、実用化に向けた試行錯誤を続ける予定です。
まとめ
ドローン配送は、交通渋滞の緩和、人手不足の補助、コスト削減、過疎地や離島への配送可能性、そして災害時の活用など、物流に関するさまざまな課題を解決する可能性があります。
これらの課題を解決することで、より迅速かつ効率的な物流が実現し、さまざまな地域や状況において必要な物資が迅速に届けられます。
実際に、ドローン配送の実証実験も行われ、その効果や可能性が確認されています。これにより、将来的にはより効率的で持続可能な物流システムの実現が期待されます。
ドローン配送は実際に試験的運用を繰り返しているため、近い未来の導入が楽しみです。また運送業の企業にとっても、人手不足の補助やコスト削減などの利点があり、誰もがwinwinな配送方法だと思います。私が住んでいる宮城県でも震災時にドローンの利用があったことが衝撃でした。様々な活用方法があるドローン配送は今後の未来の希望だと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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