物流の世界には、トラック、鉄道、船舶、飛行機など、様々な輸送手段が存在します。
それぞれ異なる特性を持ち、様々な荷物を運びます。
しかし、中には通常の輸送手段では対応できないケースも存在します。
そこで登場するのが、今回のテーマである「チャーター便」です。
「チャーター便」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、その意味や仕組み、
そして活用方法について詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
今回の記事では、物流の秘密兵器とも呼ばれる「チャーター便」について、
初心者向けに分かりやすく解説していきます。
トラック業界におけるチャーター便とは?
「チャーター」は、貸しきりという意味です。
チャーター便とは、航空機や船舶などの輸送手段を、
特定の期間または目的のために貸切にする輸送方法です。
トラック業界におけるチャーター便とは、特定の荷物だけをトラックに積み、
目的地まで運ぶことを指します。
通常の定期便とは異なり、スケジュールやルートを自由に設定できるため、
時間厳守や希少価値の高い貨物の輸送など、様々なニーズに対応できます。
簡単に例えると、タクシーやレンタカーを貸し切って、好きな場所へ行くのと同じイメージです。
通常の定期便は、決められたルートやスケジュールで運行されるバスのようなものですが、
チャーター便は、主に定期便が運行していない路線に、ニーズに合わせて運行される不定期便であり
都合に合わせて運行できるタクシーのような存在と言えます。
チャーター便と路線便との違い
「混載便」
これは、1台のトラックに複数の荷主の荷物を混載して運ぶ手法です。
正式には、「特別積み合わせ貨物運送(特積み)」と呼ばれますが、
「積み合わせ便」や「路線便」とも呼ばれることがあります。
混載便では、複数の荷主から近隣エリアに集荷した商品を発拠点に集め、仕分けや積み込みを行った後、
同じトラックで着拠点に配送します。
着拠点では、個々の配送先への仕分けが行われ、それぞれの宛先に荷物が配達されます。
この方法では、近隣エリアへの配達を1台のトラックにまとめて積載するため、
細かい時間指定や条件指定は難しいです。
混載便は複数の荷主の荷物を同時に扱い、荷物の積み替えや仕分けが必要なため、
チャーター便よりもトラブルが発生するリスクが高いです。
しかし、小口の荷物を送る際にはコストが低いため利便性があります。
チャーター便は自分のスケジュールに合わせて動いてもらえるタクシーのようなサービスですが、
混載便は他の荷主と共に運ぶ上に、
細かいルート指定などが難しい乗り合いバスのようなサービスと言えます。
最適な活用シーン
💡チャーター便を選ぶべきシーン5つ ①荷物の量が多い場合 ・大量・中量の荷物を短期間で輸送したい場合 ・複数の荷物をまとめて同じ場所へ配送したい場合 ②納期が厳守される必要がある場合 ・期日厳守が求められる精密機械や医療機器などを輸送したい場合 ・輸送スケジュールを厳密に管理する必要がある場合 ③特殊な荷物を輸送する場合 ・危険物や温度管理が必要な商品を輸送したい場合 ・美術品や骨董品など、高価でデリケートな商品を輸送したい場合 ④ロットの大きな荷物を運ぶ場合 ・一度に同じ場所に大量の荷物を運搬したい場合 ・長距離輸送で大量の荷物を配送したい場合 ⑤破損リスクを回避したい場合 ・壊れやすい商品や高価な商品を輸送したい場合 ・輸送中の荷物の状態を常に把握したい場合 |
具体的な料金相場:費用を決める4つのポイント
チャーター便は、時間厳守や大量輸送、特殊な荷物の輸送など、
様々なニーズに対応できる便利な輸送手段です。
しかし、一般的な物流サービスと異なり、料金体系が複雑で分かりにくいというデメリットもあります。
そこで今回は、チャーター便の料金相場を決める4つのポイントと、
具体的な見積もり方法について解説します。
💡チャーター便の料金を決めるポイント ・基本料金 チャーターするトラックの積載量が増えるにつれて料金が上がります。 車種例:軽トラック、2t車(小型)、4t車(中型)、10t(大型) その他冷凍・冷蔵車などの特殊車両 ・輸送距離 輸送距離が長くなるほど、料金は高くなります。これは、燃料費や人件費(拘束時間)などのコストが増えるためです。 ・オプション チャーター便には、荷物の追跡、保険、温度管理など、様々なオプションサービスが用意されています。これらのオプションを利用する場合は、別途料金が発生します。 |
輸送費のコストを抑えるには?
・多くの配送が、夕方~夜に積み込み翌朝一の配送のためPM配送や時間指定なしで運行を行う
配送日に余裕を持たせてチャーターをすると時間指定の料金が発生しない分コスト削減に繋がります。
・帰り便をチャーターする方法
目的地まで荷物を運んだあとのトラックが出発地に戻る際に空いた荷台を活用する
様々なニーズを考慮して
主にチャーター便は専属で毎日輸送するという定期便・専属便の契約を運送会社と結ぶことが多いですが
毎日決まった荷物量ではなく、荷物が小口化している近年では、
運賃が固定されている定期便・専属便ではなく、必要な時に必要な量のみを運んでもらう
スポット契約を結べる運送会社もあるようです。
まとめ
チャーター便は、通常の輸送手段では対応できないニーズを満たす、物流の秘密兵器と言えるでしょう。
時間厳守や希少価値の高い貨物の輸送など、様々な場面で活躍します。
チャーター便の活用を考える際には、輸送する貨物の種類、数量、スケジュール、
予算などを考慮する必要があります。
また、チャーター便を取り扱う専門業者に相談し、最適な輸送プランを立てることが重要です。
物流の可能性を広げるチャーター便を、ぜひあなたのビジネスに活用してみてはいかがでしょうか?
★チャーター便のメリット・デメリットについてはこちらの記事をご覧ください!
執筆を通して、チャーター便と混載便の違いや、チャーター便の料金体系や具体的な利用シーンなど、様々な知識を深めることができました。
今後も、物流に関する様々な情報を分かりやすく、丁寧に発信していくことで、読者の皆様のお役に立てるよう努力して参ります。
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