混載便は、1台のトラックに複数の荷主の荷物を一緒に積載して配送する物流サービスです。
チャーター便に比べてコストを抑えられる一方、配達時間が長くなる場合など、デメリットもあります。
この記事では、混載便の仕組みからメリット・デメリット、業者選びまで、混載便に関するあらゆる情報をお届けします。
混載便を利用する前に、ぜひ参考にしてください。
混載便とは?
荷物を運ぶには、色々な方法があります。
その中でも、「できるだけ安く送りたい」という方におすすめなのが「混載便」です。
混載便とは、1台のトラックに複数の荷主の荷物を一緒に積載して配送することで、運送効率を上げて、コストを抑えることができるサービスです。
分かりやすく言うと、複数の荷物がトラックを「相乗り」するようなイメージです。
荷主はそれぞれ、送りたい荷物に必要なスペースだけ借りるため、チャーター便を利用するよりも費用が安くなります。
☑チャーター便とは・・・1台の荷物を貸し切りにして荷物を運ぶサービスのこと。荷主専用のトラックを用意するため荷物の積み替えや配送先への立ち寄りが無いのが特徴です。 |
★チャーター便について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください
例えば、まとまった荷物を運送する際はチャーター便が利用されます。しかし、チャーター便は1台のトラックを自社のみで借りて利用するのでトラック内で荷物の隙間が空いてしまいます。
混載便の場合は、複数の荷主でトラックのスペースを分けて使用するので、トラックの隙間問題が解決されます。
混載便の仕組み
混載便はどのような仕組みになっているのでしょうか?
☑混載便の仕組み ①荷主は、運送会社に混載便の利用を申し込みます。 ②運送会社は、複数の荷主の荷物を集荷します。 ③集荷した荷物を1台のトラックに一緒に積載します。 ④トラックは荷物の配送先へ向けて出発します。 ⑤それぞれの配送先に荷物が届けられます。 |
混載便に適した荷物
どんな荷物が混載便に適しているのでしょうか?
☑混載便に適した荷物 ①小ロットの荷物(1回の配送で運搬される量が少ない荷物) ②緊急性のない荷物 ③サイズや重量がバラバラの荷物 ※一方、精密機器や壊れやすいものなどは混載に適さないので注意! |
混載便の利用例
混載便は荷物の量や種類、配送先などによって様々な利用方法があります。
①引っ越しの荷物・家具家電
②イベント用の什器・販促物の配送
③メーカーの部品の工場間輸送
④小売店の商品移動・顧客への配送
・・・など
チャーター便でトラックを1台借りるまでの荷物ではない場合
緊急性がなく、費用を抑えて荷物を届けたい場合
とにかく費用を抑えたい方
・・・こんな場合に混載便の利用をおすすめします!
混載便のメリット
混載便のメリットを見ていきましょう。
コスト削減
混載便の最大のメリットは、コスト削減です。チャーター便に比べて、運送費用を大幅に削減することができます。
その理由は以下の3つ!
①複数の荷主で運送費用を分担できる
②積載率が向上し、空車運行を減らせる
③燃料費や高速道路料金などの固定費を削減できる
☑空車運行とは・・・荷物を積まず、回送の状態で自動車を走らせること。荷物を運んでいない回送の状態でも、燃料・高速代などの経費がかかってしまうので、運送業界の大きな課題となっています。 |
地球にやさしいエコな配送
混載便は、地球にやさしいエコな配送手段と言えます。
その理由は以下の2つ!
①空車運行を減らすことでCO2排出量や燃料の使用量を削減できる
②梱包材の使用料を減らし資源の節約につながる
多様なサイズ・重量に対応
混載便は、小ロット荷物やサイズ・重量がバラバラの荷物にも対応できます。大きさが違う荷物を積む時には、大きな荷物の隙間に小さな荷物を詰め込むことができるので、たくさんの荷物を効率よく運ぶことが可能になります。
例えば・・・
引っ越しに伴う荷物や、イベント用の什器、家具家電、建築資材など様々な荷物を混載便で配送することができます。
混載便のデメリット
チャーター便と比べてコストを抑えることが可能な混載便は様々なメリットがあります。一方、注意すべきデメリットもあるので必ず確認しましょう。
配送時間が長くなる場合がある
複数の荷物が相乗りする混載便では、複数の配達先が発生します。そのため時間指定の自由度が低下し、配達時間が長くなる場合があります。
特定エリアの集荷、物流拠点での積み替え、各配達エリアでの順次配送など、複雑な工程を経るため、どうしても時間がかかってしまいます。
また、トラックドライバーとの早急なコンタクトが難しい場合があるので、急な変更などの対応は期待できません。
急いで届けたい荷物では無い場合に混載便を利用することをおすすめします。
荷物の追跡が難しい場合がある
混載便では複数の荷物を配送するため、荷物の追跡が難しい場合があります。
荷物を個別に追跡できるシステムが導入されていない業者も存在します。
配送状況を把握したい場合は、事前に業者に確認しましょう。
紛失・破損のリスク
積み替え作業や配送中の振動によって、荷物が紛失したり破損したりするリスクがあります。
壊れやすい物や精密機器など、混載に適さない荷物は、特に注意が必要です。壊れやすいものなどは避け、貴重品や高価なものを送る際にはとくに注意しましょう。
荷物の内容や重量に合った丈夫な梱包材を使用して、しっかりと梱包しましょう!
混載便は、リスクを理解した上で適切に利用すれば、コストを抑えながら荷物を配送できる便利なサービスです。
実績や評判の良い混載業者を選ぶことで、紛失・破損のリスクを軽減する事ができます。
信頼できる混載業者を選ぶことが大切です。
混載業者の選び方
混載業者を選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
①料金
複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。料金体系は業者によって異なるため、荷物の量や大きさ、配送距離などを考慮して、最適な業者を選びましょう。
②サービス内容
配達時間、荷物の追跡、保険などのサービス内容を確認しましょう。特に、荷物の追跡サービスは、配送状況を常に確認できるため、重要です。
③実績
業界歴、顧客満足度、安全性などの実績を調べましょう。実績のある業者を選ぶことで、トラブル発生時の対応も安心です。
④信頼性
担当者の対応が丁寧で、信頼できるかどうかを確認しましょう。混載便は、業者とのコミュニケーションが重要になります。
どうしても料金が安い業者ばかりに目が行きがち・・・ですが、サービス内容や実績もしっかり確認しましょう!
まとめ
混載便は、コスト削減、環境への配慮、多様な荷物への対応など、多くのメリットがある物流サービスです。混載便を利用する際は、メリットとデメリットを理解した上で検討してみてくださいね。
混載便は、リスクを理解した上で適切に利用すれば、コストを抑えながら荷物を配送することが可能です。
この記事が、混載便の理解を深め、賢くお得に荷物を運ぶための参考になれば幸いです!
混載便は、物流業界におけるコスト削減と環境保護の切り札として、今後ますます注目されていくサービスです。費用を抑えて荷物を配送することができるとても便利な混載便。ですが、トラブル防止のためには、デメリットをしっかり理解した上で利用することが大切ですね!