倉庫業は、荷主から預かった物や荷物を倉庫で保管し安全に管理する重要な役割を担う事業です。
原料から製品・食品・危険物まで、国民生活や経済活動に不可欠なさまざまな物品を
大量かつ適切に保管することで、社会インフラを支えています。
本記事では、倉庫業の基本知識から仕事内容・役割・魅力などをわかりやすく解説します。
倉庫業の基本知識
倉庫業とは何か?
倉庫業は一言で表すと「荷物を預かって保管する仕事」です
その役割は、想像以上に重要で業務内容は多岐にわたります。
原料から製品・食料品・危険物まで私たちの生活や経済活動に関わるありとあらゆる物品を
安全に保管し、必要な時に必要な場所に届ける物流の基盤を支えています。
ここでは温度管理や在庫管理が重要であり、商品を安全に保管するための施設と設備が必要です。
歴史と重要性
倉庫業の歴史は古く、明治時代には旧財閥系企業を中心に発展し
物流や社会の発展と共に重要な役割を担ってきました。
近年では、EC市場の拡大やグローバル化に伴い、その重要性はますます高まっています。
適切な倉庫業なくしてスムーズな運送や販売、そして私たちの生活は成り立ちません。
倉庫業の役割
倉庫業の主な役割は以下の通りです。
保管:品質を維持のために適切な温度・湿度管理・害虫対策などを行い、商品の劣化を防ぎます。
管理: 在庫状況を正確に把握し、必要な時に必要な商品を迅速かつ確実に供給できるようにします。
付加価値サービス: ピッキング・梱包・ラベル貼りなどの加工や流通加工も提供します。
近年では、顧客のニーズに合わせたオーダーメイドサービスも増えています。
種類と形態
倉庫業は、保管する物品や形態によって以下のように分類されます。
普通倉庫業: 一般的な生活必需品の食品・飲料・衣料品・雑貨など幅広い商品を取り扱います。 冷蔵倉庫業: 食品や医薬品など低温管理が必要な物品を保管する倉庫業です。 危険品倉庫業: 爆発物や可燃物など危険な物品を保管する倉庫業です。 水面倉庫業: 船舶や艀船を利用して物品を保管する倉庫業です。港湾都市などに多く見られます。 野積倉庫業: 屋外に物品を保管する倉庫業です。主にコンテナや木材などを取り扱います。 貯蔵槽倉庫業: 液体やガス状石油や化学製品などの物品をタンクなどに貯蔵する倉庫業です。 トランクルーム: 近年需要が急増している個人や法人が荷物を預けるための小口倉庫業です。 |
また、冷蔵倉庫業は鮮度保持や品質管理に注意が必要であり
危険品倉庫業では国家資格の危険物取扱者が責任者として厳格な安全管理が求められます。
倉庫業の業務内容
物流における倉庫業の仕事は、単に物品を保管するだけではありません。
物品が入荷してから出荷されるまでの様々な工程を担当します。
ここでは、主な業務内容である「検品」「入庫・出庫」「流通加工」「ピッキング」「仕分け」について
詳しく解説します。
●検品
工場や仕入先から届いた商品の傷やへこみがないか状態をチェックしたり
注文通りの個数かをチェックする作業です。
入荷リストと照らし合わせて手作業で行う場合と、
ハンディーターミナルでバーコードを読み取る方法があります。
出荷前にも、ピッキングした商品を出荷伝票と照らし合わせる「出荷検品」を行います。
●入庫・出庫
入庫:荷物を所定の保管場所へ格納する作業です。
出庫:保管場所から必要な商品を取り出す作業です。
・在庫の渋滞を防ぐため、細かく設定された時間に合わせて迅速かつ正確に行います。
・ハンドパレットやフォークリフトなどの機械を使用して商品の積み降ろしや運搬を行います。
●流通加工
商品を出荷する前に、必要な加工を行う作業です。
段ボールや緩衝材による包装、機械・家具の組み立て、ラベル貼りなどが一般的です。
ギフト用のラッピングやチラシの同梱など、細かい作業内容はその倉庫によります。
●ピッキング
ピッキングリストを見ながら、必要な商品を保管場所から取り出す作業です。
一般的には、カートで倉庫内を移動しながら商品を箱に入れて集めます。
ピッキング方法には、オーダーごとに商品を集める「摘み取り方式」と、
複数のオーダーの商品をまとめてピッキングしてから後で配送先ごとに仕分ける
「種まき方式」の2種類があります。
●仕分け
商品を特定のルールに基づいて分類する作業です。
入荷仕分け:商品の種類や賞味期限などを基に分類します。
出荷仕分け:配送先や方面ごとに分類します。
仕分けを間違えると、配送先違いや納期遅延などのトラブルが発生し、
顧客満足度の低下や企業の信用失墜につながる可能性があります。
そのため、仕分けリストに従って正確かつ迅速に行うことが重要です。
上記のように、物流倉庫業の仕事内容は多岐にわたります。
近年では、IT技術を活用したWMS(倉庫管理システム)の導入や、
ロボットによる自動化など、業務効率化に向けた取り組みも進んでいます。
まとめ
近年では、IT技術やロボット技術を活用した物流倉庫業の効率化が進んでおり、
今後も、物流倉庫業は社会にとってなくてはならない存在であり続け、更なる発展が期待されます。
物流倉庫の仕事は、決して楽な仕事ではありません。
しかし、やりがいのある仕事であり、社会貢献度の高い仕事でもあります。
物流に興味がある方は、ぜひ物流倉庫の仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。
物流における倉庫の仕事は、奥深く専門性の高い仕事であると感じました。検品では、商品の状態を正確に判断する力求められ、入庫・出庫では限られた時間の中でスピーディーに、かつ正確に商品を扱うことが求められます。決して楽な仕事ではありませんが、やりがいのある仕事であり、社会貢献度の高い仕事でもあります。本記事が倉庫業に興味を抱いている方の参考になれば幸いです。