ホワイト物流ってなに？推進運動して行く先に見える未来

　「ホワイト物流」は、現代の物流における課題解決に大きく貢献する注目度の高い取り組みです。
本記事では、ホワイト物流の推進運動がなぜ重要なのか、その特徴とメリット、そして世界中で展開されている具体的な取り組みについてお話していきます。
製品やサービスが生産者から最終消費者に至るまでの過程を変革する可能性を秘めています。

一緒にホワイト物流について詳しくなりましょう♪

ホワイト物流とは？ 　

　ホワイト物流とは、近年深刻化するドライバー不足や長時間労働問題などの課題解決に向け、2019年に開始された物流業界全体における持続可能な発展を目指す国民運動です。

【ホワイト物流の2つの柱】
■トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化
■女性や60代の運転者等も働きやすい、よりホワイトな労働環境の実現

現在「ホワイト物流」推進運動に賛同表明をしている企業は令和6年1月31日時点で2198社と、多くの企業が当運動への賛同を表明しています。

トラック運転者の時間外労働の上限規制の導入（2024年4月1日）までの間、実施する予定です。

ホワイト物流のメリット

　ホワイト物流には、以下のようなメリットがあります。

メリット

・ドライバー不足の解消
働きやすい環境づくりにより、新規ドライバーの確保と離職率の低下

・荷主・物流事業者・ドライバーの信頼関係構築
円滑な物流業務の推進

・環境負荷軽減
空車率の低減によるCO2排出量削減

・物流業界全体の活性化
人手不足の解消や労働環境の改善により、物流業界全体の活性化に繋がります。

・企業の競争力強化
効率化によるコスト削減や、顧客満足度の向上などにより、企業の競争力強化に貢献します。

・持続可能な社会の実現
物流業界の持続可能性を確保し、社会全体の安定に貢献します。

ホワイト物流のデメリット

デメリット

・初期投資が必要
標準パレット導入や事前予約システム導入などのコストとリード・タイム増加の可能性

・関係者間の意識改革が必要
取引先企業からの協力が得られない可能性があり、ホワイト物流推進への理解と協力が必要

物流の改善や効率化は簡単ではありません。現行のプロセスの見直しや業務の改善に割く時間やコストは予測が難しく、新しいサービスの仕組みを構築することで関係が変化し、協力が難しくなる可能性もあります。

しかし、ホワイト物流がもたらすメリットは大きいです。これに対するデメリットは、単なる課題としてではなく、柔軟な対応や工夫を通じて乗り越えることが重要となります。

企業間の関係が変化する中で、柔軟性とコミュニケーションの重要性が際立ちます。ホワイト物流への適応においては、変化に対するポジティブかつ柔軟なアプローチが必要です。

ホワイト物流の必要性

　物流業界は、私たちの生活を支える重要なインフラですが、長年、長時間労働や低賃金といった課題を抱えてきました。特に、トラック運転者不足は深刻化しており、このままでは物流機能の維持が困難になることが懸念されています。

ホワイト物流は、これらの課題を解決し、物流業界をより魅力的な職場にすることで、次世代の担い手を育成し、持続可能な発展を実現するための取り組みです。

・明性の追求
　ホワイト物流は、透明性を根本に据えたアプローチを提供します。製品の調達から最終配送までのプロセスが透明になることで、企業はサプライチェーン全体を把握し、リアルタイムで情報を共有できます。

透明性が高まることで、在庫の適切な管理や予測が容易になり、ビジネス上の意思決定が劇的に向上します。

「サプライチェーン」とは、企業が商品やサービスを生産し、それが最終的に顧客に届くまでの一連の流れやプロセスを指します。これは原材料の調達から生産、物流、販売、最終的な消費者への提供までを包括しています。

・持続可能性の実現
　ホワイト物流は、持続可能なビジネスモデルを追求する企業にとっても魅力的です。再生可能エネルギーの活用や環境への配慮を重視し、従来の物流プロセスが引き起こす環境への負荷を軽減します。
これは企業が社会的責任を果たし、クリーンなイメージを築く上で重要な要素となります。

・競争力の向上
　ホワイト物流を採用することで、企業は競争力を向上させることが期待されます。透明性の高いサプライチェーンは信頼性を築き、スピーディーで効率的なプロセスは顧客満足度を向上させます。

さらに、サプライヤーとの連携や新たなビジネスモデルの構築によって、市場での地位を強化することができるでしょう。

「サプライヤー」とは、企業や事業者が製品やサービスを調達するために利用する仕入れ先や供給者のことを指します。ホワイト物流の文脈において、サプライヤーは原材料や製品の供給者となります。

　ホワイト物流は、現代のビジネスにおいて持続可能な成功を収めるために欠かせない存在となっています。透明性と持続可能性の追求は、企業が変化する市場に適応し、競争力を維持・向上させる上での必然的な一歩と言えるでしょう。

ホワイト物流の課題

　ホワイト物流の推進には、いくつかの課題があります。荷待ち時間短縮や一括配送など、物流効率化に向けた取り組みへの理解と協力が必要です。
また、効率化のための設備投資やシステム導入には、コストがかかります。

そのために関係者全体の意識改革が必要です。これらの課題克服には、関係者間の連携強化と、政府による支援策の充実が不可欠です。

ホワイト物流の課題は大まかに2点あります。

①長時間労働・低賃金
　トラック運転手の労働時間は、全産業平均よりも約2割長いとされ、主な理由は長時間の待ち時間・荷役時間に起因しています。

具体的には、荷物を受け取る先や納品先での待ち時間が問題となり、荷待ち時間がある運行では拘束時間の平均が13時間27分、無い運行では11時間34分という差があります。

この状況において、トラック運転手の拘束時間が通常よりも長くなることが課題となっています。

②少子高齢化、運転手不足
　トラック運送事業を含む自動車運送事業は、中高年層の男性労働力に強く依存しており、令和4年においては、下記の表のとおり高齢化が年々進んでいます。

【高齢化の割合】

	トラック運送事業
40歳未満	23.9％(就業者全体)
40歳以上50歳未満	27.4%
50歳以上	48.8%

ホワイト物流の推進 　

　ホワイト物流の推進には、様々な関係者による多角的な取り組みが必要です。

【関係者の役割と取り組み】

・国土交通省：運動の推進主体
　①関係省庁との連携による政策立案
　②啓発活動による認知度向上
　③モデル事業の実施による効果検証

・企業
●出荷企業
　①荷物待ち時間の短縮
　②一括配送
　③情報共有の促進

●物流事業者
　①長時間労働の是正と働きやすい環境づくり
　②省燃費車両の導入
　③IT技術の活用

・ドライバー
　①安全運転の徹底
　②時間管理と効率的な配送

ホワイト物流の推進は、持続可能な社会と経済発展を実現するために不可欠です。

関係者間の連携強化と政府による支援策の充実により、課題克服に取り組み、より良い未来を創造していく必要があります。

ホワイト物流の未来

　ホワイト物流は、物流業界の未来を照らす光です。関係者一丸となって取り組むことで、課題を克服し、より魅力的で持続可能な物流業界を実現することができます。

私たち一人ひとりが関心を持ち、積極的に取り組むことで、より良い未来を創造することができます。

まとめ

　ホワイト物流は、現代社会において物流機能を維持し、経済成長を促進するために不可欠な取り組みです。ただし、この実現には様々な企業が協力し合う必要があります。

株式会社丸山運送での「ホワイト物流」の取り組みをご紹介します。

【丸山運送の取り組み】
　1.物流の改善提案と協力
　2.パレット等の活用
　3.船舶や鉄道へのモーダルシフト
　4.運送契約の書面化の推進
　5.働き方改革等に取り組む物流事業者の積極的活用
　6.異常気象時等の運行の中止・中断等

これからホワイト物流に参加する企業様が増え、より良い労働環境になることを願っております。

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