NVOCCってなに？分かりやすく解説！

国際輸送は、規則と規制がたくさんあり複雑です。

そこで登場するのが、船舶を所有しない運送業者であるNVOCCです。NVOCCを利用すると、国内輸送と同じくらい手軽に国際輸送を行うことができます。

そんなNVOCCとは何なのか？一緒にポイントを抑えながら、理解していきましょう。

NVOCCとは
1. フォワーダーとは
NVOCCのメリット
NVOCCを選ぶ際のポイント
まとめ

NVOCCとは

　NVOCCとは、Non Vessel Operating Common Carrierの略で、日本語では「非船舶運航業者」と訳されます。船舶などの輸送手段を持っていませんが、船会社などの運送事業者のサービスを利用して、荷物の輸送を一括して請け負います。

NVOCCは、荷主と船会社の間に入って、海上輸送に関する様々な業務を一括して請け負います。

■荷主にとっては運送人
　NVOCCは、荷主から依頼された貨物を輸送するため、荷主にとって運送人としての役割を果たします。つまり、貨物の輸送や受け渡しに関する一切の責任を負うのです。

■船会社にとっては荷主・荷受人
　一方、船会社に対してはNVOCC自身が荷主となり、船会社は運送人として貨物の輸送を行います。

NVOCCは具体的には、以下のような業務を行います。

◎NVOCCの具体的な業務

✅輸送手段の手配：船会社との契約、船舶の予約など
✅貨物の集荷・配送：荷主からの貨物の集荷、倉庫への保管、目的地の配送など
✅通関手続き：輸出入貨物の通関手続き
✅海上保険：貨物の海上輸送中の損害に備えて、海上保険の手配
✅書類作成：海上運送状（B/L）など、輸送に必要な書類の作成
✅貨物の追跡：貨物の輸送状況の追跡
✅トラブル対応：輸送中に発生したトラブルの対応

　NVOCCという存在は、米国の「1984年新海事法」において正式に認可され、その後、米国以外でも海運業界で広く使用されるようになりました。
日本では貨物利用運送事業法が適用され、NVOCCは貨物利用運送業者として扱われます。

NVOCCを採用すると、国内輸送と同じくらい簡単に国際輸送を行うことができるのです。
そんなNVOCCは海上輸送に特化したフォワーダーの一種です。

フォワーダーとは

　フォワーダーは、国際輸送に関連する業務を引き受ける総合的な業者のことを指します。
フォワーダーは自社で船や飛行機を持っていませんが、荷主から預かった荷物を、船舶、航空機、鉄道、トラックなどを組み合わせて一貫輸送を行います。

フォワーダーは複数の運送業者と連携し、荷主の商品を最適な手段で運ぶことを目的にしています。

フォワーダーのタイプには、以下のようなものがあります。

・NVOCC
　海外輸送に特化

・エアフォワーダー
　航空輸送に特化

・混載業者
　複数の荷主から小口貨物を請け負い、混載して大口貨物として輸送業者に渡す。

・国際複合一貫運送業者
　港間だけでなく、港までの輸送もまとめて提供する

・インテグレーター
　輸送手段を持ちつつフォワーダーの機能も提供

📢NVOCCはフォワーダーの一種です。

国際輸送は複雑で、荷主にとって大きな負担になりがちです。フォワーダーは荷主にとって頼れるパートナーとなり、スムーズな国際運送を実現します。

NVOCCのメリット

　NVOCCを利用するメリットは、大きく以下の3つが挙げられます。

①ニーズに合わせた最適な手段がとれる
　どの国際輸送方法が最適かは具体的な事例により異なります。

たとえば、大量の荷物を輸送する際には、鉄道や船舶が適しています。一方で、生鮮食品など素早い到達が必要な場合には、航空やトラックが適しているでしょう。また、輸送する物品だけでなく、輸送先の法的な規制なども考慮する必要があります。

そのため、荷主が最適な輸送手段を検討し、関連する業務を担当することは非常に複雑です。NVOCCなどのフォワーダーを活用することで、業務の効率向上が期待できます。

具体的なニーズに合わせて、最適な輸送手段を提案してくれるでしょう。

②ジャストインタイムの実現
　NVOCCは、海外の提携企業や派遣スタッフなどと協力し、幅広いネットワークを構築しています。これにより、貨物のトラッキングや最適な輸送手段の選択を通じて、ジャストインタイムの輸送が実現可能です。

✅ジャストインタイムとは、「必要なものを、必要な時に、必要な量を生産することで、在庫を徹底的に減らして効率化すること」。製造業や物流業界などの現場で用いられている生産方式のひとつです。

例えば、急なトラブルが発生して予定していた輸送手段が利用できなくなった場合でも、NVOCCは他の輸送業者との連携など柔軟な対応が可能です。

その他の手続きも、広範な提携関係を有するNVOCCに委託することで、自社で手続きを行うよりもスムーズに進行します。これにより、円滑で効率的な輸送が確保できるでしょう。

③コスト削減
　NVOCCは、船会社と大量輸送契約を結んでいるため、荷主が直接船会社と契約するよりも安価な運賃でサービスを提供することができます。
また、複数の輸送業者と交渉する必要がなく、一括で依頼する事ができるのでコスト削減に繋がります。

NVOCCを選ぶ際のポイント

　NVOCCを選ぶ際には、以下の7つのポイントを考慮しましょう。

取扱地域
　NVOCCは、世界各地にネットワークを持っているところもあれば、特定の地域に特化しているところもあります。必要な輸送地域に対応しているNVOCCを選ぶことが重要です。
取扱貨物
　NVOCCは、扱っている貨物の種類も様々です。一般的な雑貨貨物だけでなく、危険物や冷蔵貨物など、特殊な貨物を取り扱っているNVOCCもあります。取り扱いたい貨物に対応しているNVOCCを選ぶことが重要です。
サービス内容
　NVOCCは、海上輸送だけでなく、通関手続きや陸上輸送なども含めた一貫輸送サービスを提供しているところもあります。必要なサービス内容を提供しているNVOCCを選ぶことが重要です。
料金
　NVOCCは、船会社と大量輸送契約を結んでいるため、荷主が直接船会社と契約するよりも安価な運賃でサービスを提供することができます。複数のNVOCCから見積もりを取り、料金を比較検討することが重要です。
実績
　NVOCCは、長い実績を持っているところを選ぶことが重要です。実績豊富なNVOCCは、輸送に関するノウハウが豊富で、トラブルが発生した場合にも迅速に対応することができます。
担当者の対応
　NVOCCを選ぶ際には、担当者の対応も重要です。担当者が親切で丁寧に対応してくれるNVOCCを選ぶと、安心して取引することができます。
その他
　上記以外にも、NVOCCを選ぶ際には、以下の点も考慮するとよいでしょう。